脊髄小脳変性症
「脊髄小脳変性症」とは
「脊髄小脳変性症」とは、起立や歩行がふらつく、手がうまく使えない、しゃべるときに口や舌がもつれるなどの運動失調を主症状とする緩徐進行性の疾患の総称です。このような症状を示す患者さんについては、原因が、感染症、中毒、腫瘍(癌)、栄養素の欠乏、奇形、血管障害(脳梗塞・脳出血)、自己免疫性疾患等でないことを診察、画像検査、血液検査等にて明らかにしたのち、この病気と診断されます。
治療の流れ
「脊髄小脳変性症」は、遺伝性と非遺伝性(孤発性)に大別され、また症状からは小脳症状のみが目立つもの(純粋小脳型)と、小脳以外の症状が目立つ物(非純粋小脳型)に大別されます。
治療について
現時点において根本的な治療はみつかっていませんが、薬物療法としては、失調症状全般にセレジスト®(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン誘導体)が使われます。また、そのほか足のツッパリ感やめまい感など症状に応じて薬で治療を行います。 純粋小脳型では、運動失調症状に対して、集中的なリハビリの効果があることが示唆されています。バランス、歩行など、個々のADL(日常生活動作)にそったリハビリの効果は、終了後もしばらく持続します。運動失調のリハビリについては滋賀医大脳神経内科に紹介しています。